培養土の原材料
土の種類と特徴記事まとめ
こんにちは。
研究開発部の保田です。
本ブログでは土の原料紹介記事が良く読まれています。
春の園芸シーズンに向けて、みなさん情報を取り始めていらっしゃるようです。
土の種類と特徴記事をまとめておきます。
園芸培養土はどんな原料を主に使って作られているのか、調べてみた。
こんにちは。
研究開発部の保田です。
日光圃場での作業が一段落しましたので、今は社内でデータ整理などに追われています。この時期になると毎年事務作業で慌ててしまいますので、今年は予定を立ててスムーズに作業ができるように取り組もう!と部内で調整しつつ進めております。
栽培試験の作業がひと通り終わった時にふと思いました。
「全国から集めた園芸培養土が目の前にある。これらがどんな原料を使っているのかを調べてみれば今の園芸培養土のトレンドがわかるのでは?(自社調べ)」
と。
園芸培養土の原料に関する情報は書籍やウェブサイトなどで数多く紹介されていますが、市場に出ている商品がどの原料を主に使っているのかという情報はほとんど無いのではないでしょうか。
今回の土ブログでは今世の中で販売されている園芸培養土はどんな原料で作られているのか?ということで、実際に調べてみました。
これが今の園芸培養土の主原料のトレンドだ!(自社調べ)
北は北海道から南は九州まで、全国から集めた園芸培養土(n=350)の主原料を調べました。
<調査方法>
- 調査対象は花用・野菜用に使える培養土(特定の植物専門の培養土は除く)のみ。
- 主原料の確認は培養土の目視確認とパッケージ記載確認による。
- 同じ商品が複数ある場合は、販売店ごとに1つの商品としてカウントする。
- 原料は同じで容量違いの場合は1つの商品としてカウントする。
その結果がこちら。
1位:バーク堆肥 44%
2位:ココヤシピート 29%
3位:赤玉土 10%
4位:ピートモス 6%
5位:粒状培土 4%
多い順にこのような結果となりました。
今のトレンドとして、半数近くの園芸培養土の主原料にバーク堆肥が使われていました。次いでココヤシピート。当社の主力商品の「花野菜用かる~い培養土」の主原料もココヤシピートであります。
バーク堆肥とココヤシピートを合わせて約70%以上となり、繊維質の原料が大半を占めていました。古くから園芸培養土の原料として使われていた赤玉土は全体の1割にとどまり、割合としてはそこまで多くない状況。
もともと園芸用の土は「赤玉土」、「鹿沼土」といった火山灰性の土が単品で売られていたところからはじまります。お店で買ってきた単品の土を自分の育て方に合わせてブレンドをするようになり、それであればはじめからいくつかの原料をブレンドした土を売ってみようということで生まれたのが今の培養土です。
年々園芸が盛んになるにつれ、さまざまな原料が開発されてきました。世に出たものの、そのまま消えてしまった原料もあるかもしれません。今日まで多くの園芸培養土で主原料として使われているということは、ある程度の植物にとって相性の良い原料であることは間違いなさそうです。(一部例外の植物がありますので、一概には言えませんが。)
園芸培養土のほとんどが伝統的に使われてきた赤玉土から、繊維質の原料にシフトしてきています。「軽さ」や「土をふかふかにする」など、ユーザーの使い勝手や土壌物理性の改善などを訴求した培養土が増えてきているのかもしれません。
商品開発を進める上で、現状のトレンドがどのようになっているのか、これまでどのような培養土が開発されてきたかを振り返り、継続的に調べ続けることはとても重要なことです。
ユーザーの次のニーズは何になるのか予測をつけることもできそうです。
ココヤシピート栽培試験の様子
こんにちは。研究開発課の向田です。
ココヤシピートは「花と野菜にイーノ!培養土」や「花野菜用 かる~い培養土」など多くの弊社商品の原料として使用しており、ココヤシを素材とした安全で環境に優しく、持続可能な素材です。
ココヤシピートの品質を保つために日々栽培試験を行っています。
【土の種類と特徴 その15】 赤玉団粒土
【土の種類と特徴 その14】 チャコールサンド
チャコールサンドとは一般的にクリンカアッシュと呼ばれており、高温なボイラー内で赤く溶けた状態の灰を、ボイラー底部の水槽に落下・急冷させ、破砕機で破砕、粒の大きさを調整した砂状のもので表面には、小さなたくさんの孔(あな)があいていますので、保水性・排水性・通気性に優れた特徴があります。
【土の種類と特徴 その13】 カルボキシメチルセルロース
【土の種類と特徴 その12】 バーミキュライト
バーミキュライトはひる石を約800℃の高温で焼いてふくらませたもので、多孔質で軽く、高温で焼いているためほぼ無菌という特徴があります。ひる石はマグマが冷えて固まってできた、花崗岩(かこうがん)の中に入っている黒雲母(くろうんも)からできた鉱物です。熱するとにょろにょろと伸びるため見た目からひる石と呼ばれています。バーミキュライトというと、石綿(アスベスト)との関係は?と思う方もいらっしゃると思います。バーミキュライトの原料のひる石は産地によっては石綿(アスベスト)と鉱脈が近いことがあります。アメリカ合衆国モンタナ州リビー鉱山の原石には毒性の高い石綿(アスベスト)が含まれ、鉱山労働者や周辺住民に健康被害が起こっています(リビー鉱山は1990年に閉山)。現在は、石綿(アスベスト)が含まれていない事が確認されている、中国、南アフリカ、オーストラリアの鉱山産を使用しています。弊社は中国産のバーミキュライトを使用しておりますので、石綿(アスベスト)の心配はございません。バーミキュライトは保水性、保肥性に優れ、土に混ぜ込むことにより植物に水分・栄養分を与えてくれる土にする効果があります。またバーミキュライトはその軽さからカーサグレインハンギングバスケットの土に、無菌であることからカーサグレインさし芽・種まきの土に使用しています。
【土の種類と特徴 その11】 ビーナスライト(黒曜石パーライト)
ビーナスライト(黒曜石パーライト)は黒色の硬い黒曜石が原料です。真珠岩パーライトと同じく800℃から1000℃の高温で熱することにより石が発砲してふくらみ、細かい孔ができます。粒の大きさは、黒曜石パーライトが0.5 mmから5 mmのやや大きく重い粒になるのに対し、真珠岩パーライトは0.1 mmから5 mmのやや小さい軽い粒となります。黒曜石パーライトは通気性と排水性に優れていることからプロトリーフかる~い鉢底石の原材料に、真珠岩パーライトは軽くて保水性に優れていることからプロトリーフ花野菜用かる~い培養土をはじめとした培養土の原材料に使用しています。
【土の種類と特徴 その10】 パーライト(真珠岩パーライト)
真珠岩パーライトは火山から噴出した火山岩の一種である真珠岩を800℃から1000℃の高温で熱すると内部の水分が水蒸気となって膨張することにより、ポップコーンのように発砲する多孔質な素材です。パーライトは通気性と排水性に優れ、培養土に混ぜることにより土壌の物理性(培養土中の空気の割合)の改善効果が見込めます。0.01mmから0.02mmの細かな孔が数多く存在し、そこに有用な土壌微生物が棲み着くことから培養土の改善効果が見込めます。
【土の種類と特徴 その9】 ピートモス
ピートモスは湿地帯のミズゴケや植物が堆積し、バクテリアやミミズなどの土壌微生物、土壌動物により分解された
保水性と保肥性に優れた素材です。
ピートモスは地層深くに堆積しているため無菌ですので室内園芸にも向いている一方、植物が微生物に分解されて生じる
腐食酸が含まれているため酸性を示し、植物の生育に必須の鉄、銅、亜鉛などの微量要素をほとんど含まないため、
栄養分を必要とする微生物を活性化させる能力が弱い点があります。
ピートモスはブルーベリー、ツツジそしてサツキなどの酸性土壌を好む植物の栽培に適しています。単体で使用する
よりも、他の培養土と混ぜあわせて使用することが多いです。